俺は何かにぶつかったのだろうか?
突然目が回るように引っくり返ったかと思うと、今度は目の前が真っ暗だ。
「いっててて……ま、まりりん大丈夫か??」
「いや〜ん」
なんだろう……?
何か柔らかいものが手に触れている。
――もしや、俺たちの匂いをかぎつけた、ヤバイ何かがついに迫ってきたんじゃ…!?
「ままままっ!?」
焦りながらまばたきを繰り返す俺の前に現れたものは……まりりんだった。
俺の上に馬乗りになったまりりん。
柔らかい何かは……間違いなくまりりんの胸の感触だ。
「まりりんの秘密見られちゃった」
「秘密ってなんだよオイ、てか、こ、この状況は……」
「まりりん、実はマントの下、こんな格好なの……すくみず……」
「すくみず?」
まりりんのまとっている長いマントの隙間から覗くのは……
この季節には明らかに似つかわしくないスクール水着だった。
「もお! まりりんのキュートなボディに吸い付くナイロン素材のステキなハーモニー……わからない?
ひさちーの為にまりりん着ちゃった♪」
「ひゃは!? まてまてまてっ、手、手が」
「ひさちがこんなの好きなの、なーんとなくわかるもん! そんなに顔赤くしちゃって、このぉ〜」
「違う違う、手、む、胸!!」
俺は慌てて手を引こうとした。
しかし、まりりんの小さいくせにガッチリと掴んだ獲物は離さない腕が絡みついている。
「ああ、ひさちーはいいの! だってまりりんのラブラブダーリンだもん」
「い、いつのまに!?」
「……だって、だって触ったじゃない……もうまりりん、ひさちー以外のお嫁さんにはなれないよ〜
そんな言い方するなんて……ひさちー、まりりんの身も心も弄んでポイしちゃうの?」
「誰がいつ弄んだ――!!」
(オバケ屋敷に連れ込んで、既成事実………恐ろしい策士です)
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